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空のように透き通った心をみつめて、あるがままへ。
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私達は、生まれながらに自分のことや、この世界の事柄を知っているわけではありません。

人は成長しつつ、感覚器官をとおして、様々な物や言葉を覚えていきます。

生まれてすぐの赤ちゃんの頃は父と母の区別もつかないはずですよね。

しかし、成長するにしたがい、人、男女、犬、鳥、果物、etcといった大まかな概念を学び、

例えば鳥といった概念から、スズメ、ハト、カラスといった判別する認識を持つにいたり、

鳴声から、「あれはスズメ」といった予想もできるようになり、

個人という感覚も身につけてゆきます。

3歳くらいになれば、自分と他人の区別ができるようになり、自己主張もしますよね(笑)

そして、感覚器官から知覚された知識を蓄積してゆき、認識作用が顕著に現れ、

概念、判別、様々な感覚、好き嫌い、執着、欲求といった心の作用を形成します。

学校に入るまでは、親から受け継いだ知識や感覚を基準にして、

物事への基準や価値判断に基づいて行動しますが、

学校に入って、教師、友達との交流、

様々な知識を学ぶことから更に多様な物事を個々に判断する価値判断を持つに至り、

複雑な心を持つようになります。

小学生高学年から中学生くらいになれば、

善悪の観念や道徳観、宗教観、歴史と社会通念からの固定観念を思念したり、

その判断を事例に照らし合わせて、更に個々の価値基準で人や世の中を見つめます。

例えば、ハトとカラスの二種類の鳥類の名前を聞いて、

あなたはどのような印象を思い浮かべますか?

大勢の人はハト=平和の象徴、カラス=ずるがしこくて悪い鳥といった印象でしょう。

まあ、カラスに関しては悪者扱いする童話や賢さから、

ずるくて賢くて悪い鳥と心象するのが普通なのかもしれませんね。

しかし、その心象がまさに観念であり、これが心にフィルターを作り出しています。

観念と呼ばれるフィルターを外してハトとカラスを見比べてみると、

同じ鳥類で、ただ単に色と形、鳴声、習性が違うだけなのですね。

そして、固定観念と呼ばれる観念は、経験と記憶から導き出されています。

昔から伝わる根拠のない迷信や、

今は地動説ですが、大昔の天動説、

一昔前は信じられていなかった、宇宙の多次元説も量子力学の世界では常識になりつつあり、

昔から伝わっているからとか、

大勢がそういっているから、といった知識はあてにならないのですね。

また、個人的な経験からこういった場合にはこうしなくてはならない、

といったものも固定観念ですよね。

私達は個人が育った環境から、人とは違う色眼鏡でそれぞれが世界を見ています。

同じ出来事でも人によって心象(心に思い浮かべる想念)が違い、

物の価値観も人それぞれで、

知らないうちに人からの影響や経験による価値判断を採用しています。

私達は心に厚いフィルターをかけてしまっているのですが、

それが当たり前なのだと思っています。

しかし、これが「あるがまま」の世界を捻じ曲げて記憶し、

怒りや憎しみ蔑みの原因となっているのです。

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